こんにちは、熊月カナタです。
今回は糖質の摂取量を誤ると死亡率が増加するかもよ?というお話です。
近年で糖質制限ダイエットがかなり流行りましたが、実は糖質を制限すると死亡率が上がるかもしれないという研究が出ていまして、もし糖質を制限しているor糖質ばかり摂っているという方はちょっと気をつけなけらばならないんじゃない?という考えが過りました。
自分の糖質摂取量は適切かどうか、以下の解説で確かめていきましょ~
糖質摂取量によって寿命が変わる
糖質に関する論争
糖質が身体に良いか悪いかの論争は昔からあったわけですが、具体的な善悪に関してはいまだどちらの論もある感じですよね。
最近の日本では糖質制限ダイエットが流行っていることもあって「なるべく炭水化物を取らない方がいいんじゃない?」という空気がありますよね~。
確かに炭水化物の摂取を安易に増やせばカロリー摂取量も増えやすいですし、肥満率の増加が死亡率の増加に繋がることは皆さんもご存知の通りでしょう。
しかしここで疑問に思うのは「結局、糖質はどれぐらいとっていいの?」ってことですよね。
この最適な糖質摂取量は何なのかを調べてくれた研究があったのでご紹介していこうと思います。
糖質摂取量と死亡率の関係
炭水化物摂取量と死亡率の関係を調べてくれた研究がかの有名な「ランセット」に載っていたのでご紹介していきます。
アメリカの4つのコミュニティに住む45~64歳の成人15,428人を対象にしたメタ分析です。
この研究では対象群を平均25年間にわたって追跡し、食事において炭水化物摂取量の割合と全死因死亡率の調査をしてくれたそうです。
とても長い期間を追跡するのは大変だったでしょうね……
この研究で対象をどうやって調べたのかというと、
- ・食事に関するアンケートに答えてもらった。
- ・アンケートの集計は6回行った。
- ・極端なカロリー摂取量は除外(600kcal/日や4200kcal/日などは外した)
っといった感じです。
これに加えて運動レベルや喫煙などの影響が大きい要素は省かれて調査されています。
炭水化物摂取量を調べた中で、対象を摂取量に応じて3つのグループに分けました。
- 1.低糖質グループ:炭水化物摂取量が総カロリーの40%以下
- 2.バランスグループ:摂取量が総カロリーの50~55%
- 3.高糖質グループ:摂取量が総カロリーの70%以上
それでどのような結果になったと言いますと……
糖質が50%前後の人々がもっとも死亡率が低かった!
という結論になったわけなのです。
具体的にどれぐらい違うかというと、およそ50歳の人が50%の糖質を取り続けた場合……
- ・低糖質グループよりも寿命が4年延びる!(33年 vs 29年)
- ・高糖質グループと比べると1年延びた(33年 vs 32年)
となったそうなんです。
この傾向はU字曲線の関係となっておりまして、糖質を制限すれば制限するほど、糖質を多く摂れば摂るほど寿命は短くなっていったという結果が出ています。
40%以下でも低糖質グループに入れられてしまうので、糖質制限ダイエットを行っている人にとってはちょっと怖い話ですよね。
糖質は50%前後に保とう!
この研究からわかる結論は
摂取する糖質は50%前後に保って、健康的に生きましょう!
ってことになりますね。
また、この研究ではカロリーの質に関しては考慮されていなかったので、野菜をいっぱい食べる人はどうなのか?加工食品ばかり食べている人はどうだったのか?ということは調べられていませんでした。
これらの懸念は研究チームも言及していまして、
「今回の発見にはいくつかの説明が考えられる。第一に糖質制限ダイエットは野菜・フルーツ・穀類の摂取量が減り、動物性たんぱく質が増える。これは死亡率を高める要素である。第二に糖質制限とバランス食では生理活性物質の量が違う(分枝鎖アミノ酸、脂肪酸、食物繊維、ファイトケミカル、ヘム鉄、ビタミン、ミネラル等)。また、アジアや発展途上国でよく見られる高糖質な食事(精製された白米など)のようにカロリーの質が低い食事が反映されているかもしれない」
というコメントを残しています。
要するに「糖質そのものが善悪を決めている」ということではなく、三大栄養素のバランスが崩れたせいで必要な栄養素を取ることが出来なくなるのが問題であるということです。
まとめ
というわけで今回はベストな糖質摂取量は何なのかについてお話していきました。
今回わかったのは
- ・一番いい摂取量は50%前後!
- ・だけど摂取する炭水化物の質もちゃんと考えないとね!
- ・動物性たんぱく質ばかりの食事はNG
といったところになるかと思います。
カロリーの質には気をつけつつ、三大栄養素のバランスもしっかり考えていきたいですね。
それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。
参考文献:Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis