こんにちは、熊月カナタです。
今回はストレスを感じている状態でも問題解決能力を上げられる方法をご紹介します。
人間、ストレスを感じたり晒されていたりすると能力が落ちてしまう生き物でして、そんな状態で仕事や勉強、趣味をすると効率や成果が落ちてしまうワケなんです。
そういったストレスを感じている状況でも問題を解決する能力を高めるためにはどうすればいいの?という悩みにお応えすべく、解説していきたいと思います~
自己肯定感を上げてストレスに立ち向かう
厄介なストレス
ストレスというのは日常生活のいたるところで感じますよね。
仕事の中で、家庭の中で、はたまた人間関係の中で感じることでしょう。
多くの人達はこのストレスに対してある程度いい具合に付き合えているのかなーと思います。
しかし、こういったストレスは対処できている・立ち直ることが出来ているストレスに限ります。高レベルのストレス———何日、何週間にもわたって続くイライラや忘れることが出来ないくらい強いストレス———は、人間の能力を低下させ、問題解決能力や創造性を下げてしまいます。
人間の能力を下げてしまう高レベルの急性ストレス、慢性ストレスは厄介でして、単に趣味や娯楽に走っても回復しないし、認知行動療法とかをしないと中々対処が難しいんですよね。
こういうストレスには対処して日々の幸福度や満足度を上げていきたいですよね。
しかし、どうやってこういったストレスに対処するべきかがわからない……という状況になりがち。
そんな問題を解決しようと立ち上がってくれた研究者たちがいました。
セルフアファメーションでストレスに対処せよ
ストレスで能力が下がる問題にどうやって対策したらいいの?ということを調べてくれたのはジョン・ホプキンス大学の研究者たちです。
ピッツバーグの都市大学から集められた73人の男女の学生を対象に行われた実験で、全員に個人の価値観に関するアンケートと価値観を書きだす作業を行ってもらいました。また、ストレスが与える影響を調べるため、実験を行う前に参加者全員のストレスレベルをチェックして、ストレスが高い群と低い群に分けています。
実験を行う際、73人の学生はランダムに次の2つのグループに分けられまして、
- 1.セルフアファメーションを行ったグループ
- 2.他者が望んでいることを意識してもらったグループ
この2つのグループにどういう違いが出るかを調べました。
「セルフアファメーション」というのは、自分の価値観を見つめ直し、自分にとって大事なことは何なのか(家族や友人など人間関係や趣味など)を考えるテクニックです。つまり、何が大切なのかを思い出す方法ですね。
2つのグループにはまず11の価値観を重要な順番に書き出してもらい、セルフアファメーショングループには自分が最も大切にしている価値観について考え、何故重要なのかという理由を書き出してもらいました。他人が望んでいる価値にフォーカスしてもらうグループには第9位の価値観に対して、他者にとってどれくらい重要であるかを書き出してもらいました。
次にRATと呼ばれる問題解決能力と創造性を測るテストを行ってもらい、問題解決能力と創造性を測りました。
この実験を行った結果、2つのグループを比べてセルフアファメーションを行ったグループはそうではないグループに比べてRTAのスコアが高かったそうなんです。
つまり……
セルフアファメーションを行ったグループは問題解決能力が上がっていた。
ということがわかったそうです。
いやぁ、セルフアファメーションってやっぱり効果があるんですね。
また、ストレスレベルが低い群に関してはスコアに変わりは無かったそうなので、
ストレスを感じている人がセルフアファメーションを行うと問題解決能力が上がる。
ということもわかったみたいです。
つまり慢性的なストレスを抱えている人にセルフアファメーションが効くってことなんですね。
まとめ
というわけで今回はストレスを感じている時に能力を下げないための方法を解説してきました。
人間はストレスを強くまたは長く感じていると頭の回転が落ちて本来の能力を出せなくなっていきます。
そこで、上記の研究でわかったように、ストレスを抱えているときに自分自身の価値観を思い出し、何故それが大切だったのかをしっかり思い出すことが、問題解決能力や創造力を落とさないようにする方法の一つなんですね。
自分が「最近ストレスが溜まってきているなー」とか「あの辛いことが忘れられないよ……」と感じている場合は是非セルフアファメーションを行ってみて、自分にとって何が大切かを思い出してみましょう。
そうすることで能力が向上し、場合によってはストレスの元自体を無くすことも出来るかもしれません。
それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。
参考文献:Self-Affirmation Improves Problem-Solving under Stress