マグネシウムが糖尿病のリスクを下げる可能性

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マグネシウムが糖尿病のリスクを下げる可能性

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こんにちは、熊月カナタです。

今回はマグネシウムを摂取したら糖の処理能力が向上したよ!っていう話を見つけたのでそれをご紹介していこうかと思います。

前回でもご紹介した通り、マグネシウムは気分を改善する効果もありまして、とても優秀な栄養素の一種なわけなのです。そんなマグネシウムが糖の処理能力も上げるかもしれないということなので、「お前、そんな効果もあったんか⁉」とビックリしたわけです。

なので今回はそんなマグネシウムの新たな一面を解説していく感じです。

マグネシウムが糖の処理能力を向上させる

糖尿病患者の状態を改善

マグネシウムが糖尿病へ効くかもしれないということを調べてくれた研究がありました。

この研究を行ったのはマレーシアのテクノロジー大学マラッカ校の研究者たちです。過去に行われたマグネシウムと心疾患リスクに関するデータを集めてメタ分析を行いました。

糖尿病患者と非糖尿病患者の両方のデータを集めまして、総数は約1,600人分にも及びます。
実験期間は平均で12週間。マグネシウム摂取量は384mg/日だったそうです。

この人達の血中成分を調べまして、実験前と比べてどれくらいの変化があるのかを調べました。
対象となった血中成分は以下の通り。

  • ・空腹時の血漿グルコース(血中の血糖)
  • ・善玉コレステロール(HDL)
  • ・悪玉コレステロール(LDL)
  • ・中性脂肪
  • ・最高血圧

どれも血液における重要な要素ですね。
これらの値が、マグネシウム摂取後にどれだけ変わったのか、結果を言いますと……

  • 1.空腹時の血漿グルコース:約4.6mg/dL減りました!
  • 2.善玉コレステロール:約3.2mg/dL増えました!
  • 3.悪玉コレステロール:約10.7mg/dL減りました!
  • 4.中性脂肪:約15.3mg/dL減りました!
  • 5.最高血圧:約3.1mmHg減りました!

という結果になったそうなんです。
いやはや、これはすごい。しっかりと効果が出ているではありませんか。
しかもこれは非糖尿病患者の値でして、糖尿病患者の方はもっと良い値が出たそうです。

また、この研究では上記以外の血中成分も調べられていましたが、そちらに関しては特にこれといった差異は出なかったそうなんです。
ちなみに他の血中成分はインスリンや総コレステロール量、最低血圧だったりします。

マグネシウムは血液の状態を改善してくれる!

上記でわかったことを簡単にまとめると、

  • マグネシウムを摂取することで血液の状態が改善し、糖尿病のリスクを下げることが出来る。
  • 糖尿病患者はさらに効果が大きく、状態を改善することが可能である。

といったところになります。

マグネシウムを摂取すると血液に対して良い効果が出るんですね。
糖尿病を患っている人は自分の状態を改善してくれるそうなので、これもまた良い効果。

これら血中成分が改善されると糖尿病リスクが減るのは勿論の事、心疾患で死亡してしまうリスクを減らすことが出来ます。現代において心疾患は何処の国でも死亡原因の上位に入っていますからね。心疾患リスクを減らすために出来ることはしておきたい!と思うのが当然でしょう。

また、研究者はこの実験に対してコメントも残してくれています。

「マグネシウムの補給は、空腹時血漿グルコース、HDL、LDL、中性脂肪、最高血圧 に好ましい効果をもたらす可能性があります。したがって、マグネシウムの補給は、二型糖尿病に関連する心血管疾患のリスクを軽減する可能性がありますが、臨床実践のための確固たるガイドラインを作成するには、将来の大規模なRCTが必要です」

とのことらしいです。
要するにマグネシウムは血中成分を改善して心疾患リスクを下げることがこの実験でわかったよー!でももっと大規模な調査が必要かな?という事です。
もっと大々的に調べる必要はありますが、私達はこの研究を基に生活を変えていけば全然良いと思います。

まとめ

というわけで今回はマグネシウムが糖尿病のリスクを下げてくれるかもというお話でした。

メンタル改善効果に続いて血中改善効果もあったとは、なかなかやるおるなお主……ってなりましたね。
血中成分が改善すれば上記で説明したように心疾患のリスクを下げられるんですが、それ以外の健康リスクも下げることが出来るので、血液の状態はいい状態に保っておきたいところですね。

マグネシウムはどうやってとったらいいの?という疑問があるかと思いますが、こちらに関してはサプリメントで補給したりマグネシウム含有量の多い食材(ほうれん草やきくらげなど)を使った料理を食べてマグネシウムを摂っていけば良いと思われます。

それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。

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