こんにちは、熊月カナタです。
最近記事にしている性格と行動に関するモノで、今度は行動を変えることによって性格も変えられる可能性があるよ!というお話をしていきたいと思います。
我々人間の性格は生まれた瞬間から固定的であり、将来成長したとしてもあまり変わらないというのが通説になっております。これは様々な研究からわかっており、ほぼほぼ確実なことなんですよね。
そんな変わらない性格を変えるにはどうしたらいいのかということを研究してくれた人達がいたので、今回はその研究を基に解説していきたいと思います。
性格を変えたいなら行動するべし
行動を変えることで性格を変えていく
早速結論から話してしまうと、変え難い人間の性格を変えるには自分が普段行っている行動や習慣を変えていくこと、これが性格改善に大きく役立つということがわかりました。
2008年にイリノイ大学のブレント・W・ロバーツ博士とジョシュア・J・ジャクソン博士によって研究されたもので、遺伝子と性格の関係について調べてくれました。
研究の結果、人間の性格は遺伝子によってほぼ決定されているということが再確認されましたが、驚くべきことに状況や環境によって発現する遺伝子が変わってくるということが発見されました。
つまり、固定的で変わらないものと見られていた性格特性が、実は状況や環境によって変わるのではないかということが示唆されたわけです。
遺伝子は一見変化しない生物学的システムだとされていますが、人間が生きている環境や体験している出来事によって、遺伝子内の特定のスイッチがオンオフするそうで、そのスイッチによって性格特性も変わってくる可能性があるということなんです。
よって、とある特定の行動や環境に長期間身を置くことで性格に関わる遺伝子のスイッチを切り返させ、その人自身の性格を変えるということが可能だと証明されたわけです。
自分の性格を変えたい!と思っている方には朗報なのではないでしょうか。
性格が行動に与える影響
環境や行動を変えていくことで性格は変わるんだ!ということがわかったところで、少し気を付けなければいけない点をお話しておきます。
まず、性格が行動に与える影響というのは長期的に見た場合とても多きいということが過去の研究でわかっております。
そのため、何も対策せずに過ごしていくと「あれ?行動を変えるって意気込んだのはいいものの、あんまり変えられてなくない?」という結果になりがちなんです。
行動を変えよう!と決めた瞬間は行動を変えることが出来たとしても、長く続けていくとまた元の生活習慣に戻ってしまうなんてことになってしまうのです。
これを対策するためにはどうすればいいか、具体的に説明していきましょう。
行動や環境を変えるためのテクニック
それでは環境や行動を変えるためのテクニックをご紹介しましょう。
まず一つ目は「自分に合った仕事選び」です。
自分の価値観に根差した仕事や自分が将来こうなりたい!と思えるような将来像を持ち、その未来を達成できそうな仕事についてみる……といった方法です。
具体的に例を挙げると、もっと社会に必要とされるような人間になりたい!と考えている人がいたとすれば医療関係の仕事についてみるとか、環境問題に対処する仕事についてみるといったことが挙げられますね。
明るい人になりたいなぁ……と考えているのだとすればイベントの実行委員になったり、接客業や営業職についてみるのも手だと思います。
しかし「いや、仕事を変えるのはハードルが高いって」とおっしゃる方もいると思うので、ハードルを下げたやり方もご紹介しましょう。
二つ目は「If-thenルールを駆使する」です。
心理学の分野では結構有名な手法で、自分が遭遇しそうな場面をあらかじめ想定しておき、実際にその状況が起こった場合にどのような行動をするのかということを考えておくという方法です。
性格を変えるためにする具体的なステップは以下の通りです。
- 1.自分の変えたい性格を決める。(もっと誠実的になりたい等)
- 2.思い描く性格に沿った行動を選択する。(1日に1回は必ず人助けをする等)
- 3.If-thenルールを設定する。(仕事で困っている同僚の手助けをする等)
- 4.設定したIf-thenルールを続けていく。
この流れを続けていくことで、実際に性格を変えていくわけですね。
仮に遺伝子レベルで性格を変えることが出来なかったとしても「思い描いた性格像」に照らし合わせた行動が出来るので、表面上だけでも性格を変えることには繋がっていくかと思います。
まとめ
というわけで今回は性格を変えるためには行動を変えるべきということについてお話させていただきました。
固定的だと言われている性格を変えるためには長期間で行動を変えていくのが効果的で、それは遺伝子レベルでの変化をもたらす可能性もあります。
上記で上げたテクニックを活用することでその効果は大幅に上がると思うので、是非ご活用ください。
それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。
参考文献:Sociogenomic Personality Psychology