こんにちは、熊月カナタです。
今回も人間の性格についてお話していきたいと思います。
ヒトの性格は不変か可変か、固定的か変動的か、そもそもどうやって性格が作られていくのかという議論は昔からありますが、今回はそんな性格の話の中で「人の性格は住む場所によって決まるかも?」という面白い研究があったのでご紹介したいと思います。
それではやっていきましょ~
ヒトの性格と居住地域の関連性
人間の性格は住む場所によって変わる
ヒトの性格って変わるの?変わらないの?という疑問は昔から議論されてきましたが、最近ではその疑問にも結論が出ていまして、「基本的に人間の性格は遺伝子によってきまる」という答えが出ています。
しかし、遺伝子以外にも性格の変化に関与する影響要素がありまして、それが私達を取り巻く「環境」なのです。
そんな私達の性格にまで影響を与えるという「環境」について調べてくれた研究がありました。
これはミシガン州立大学の研究で、127000人の男女を対象にそれぞれの愛着スタイルと住んでいる地域を調査して統計的な処理を実施しました。
『愛着スタイル』というのは人間それぞれの「他人への接し方」の違いを分類分けした理論です。このスタイルは全部で3つあり、安定型、不安型、回避型といったスタイルがあります。安定型の傾向が高い程他人との接し方が上手であり、不安型と回避型傾向が高い人間は他人とのコミュニケーションを不得手としている特徴があります。
この研究を行った結果、どんなことがわかったのかというと……
- ・ニューヨーク州やカンザス州などの出身地の人は不安型、回避型の傾向が高く、人数も多かった。
- ・カリフォルニア州やユタ州などの出身地の人は安定型傾向が高いと判明した。
このようなことがわかったそうなんです。
地域ごとに性格的な違いが出てくるとは驚きですよね。
何故住む場所によって性格が変わるの?
なんで住んでいる州によって性格の違いが出てきたの?という疑問が湧いてきますよね。
なぜこのような違いが出てくるのかというと、どうやら地域の成り立ちが原因の一つのようです。
安定型傾向の高い地域を例に出して説明致しましょう!
- 1.周辺が山などに囲まれ、地理的に孤立している
- 2.人の往来が少なく、地域に住む人々の変動が少なくなる
- 3.閉鎖的な空間のため、地域内のコミュニティの重要性が高まる
- 4.助け合いの精神や親切心などが向上する
こういった理由で、人間の性格に影響を与える環境が整っていくらしいのです。
もっと簡単に言ってしまうと「地域、人の流動性によって性格の変化が起こる」ということなのです。
田舎町などに行くと住民同士の助け合いが頻繁にあったり、距離が近かったりするのもこういったことが理由の一つなのかもしれませんね。
また、上記のような流動性の低い環境はデメリットも抱えており、特有の文化が根付いていたり、変化を嫌ったり余所者を中々受け入れない空気が出来上がりやすくなったりもするので、一長一短な側面もあるのです。
なので、「自分にとってこの場所はなんか合わないなぁ……」と思ったら、自分の性格が地域の特徴にあっていないのかもしれません。
そう感じた時は新天地に引っ越し、新たな可能性に目を向けてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
というわけで今回は住んでいる場所によって人間の性格は変わってくるというお話でした。
住んでいる場所が人間の性格に影響を与えるというお話は中々衝撃的でしたが、理論や理由を紐解いていくと「ああ、なるほど!」と少し納得がいく説明が出てきましたよね。
今回を話しを念頭に、普段相手と会話をしていてお互いの出身地について話題に上がったら思い出しながら会話をすると面白いかもしれません。
しかし、そういった時は相手に対して変なラベリングをせず「この人はこういう傾向があるかもしれないな……」と、頭の片隅で推測を立てるくらいにしておいた方が良いでしょう。
それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。
参考文献:Is Virginia for lovers? Geographic variation in adult attachment orientation.