こんにちは、熊月カナタです。
今回は温かい物を手に当てるとストレスが減ったよ~という研究を目にしましたので、それについてお話していこうかと思います。
「手に温かい物をあてるだけでストレスが下がる?ホントっすか~?」と疑問に思う方が多いと思います。筆者である私自身も研究内容を見るまでは「ホントにござるか~?」と、やや疑問に思っていました。
研究がどこまで信じられるのか、詳しく見ていきましょう~
手を温めるとストレスが減る説
温かい物に触れると恐怖が下がるんじゃないか?という仮説
今回行われた研究なんですが、そもそもなんでこんなことをしようかと考えたのかというと、「温もり」が恐怖とかのストレスを抑制してくれるんじゃない?と仮説を立てたかららしいんですよね。
そもそもの話で、社会的な支援が恐怖に対して有効的な対策になるっていうことが実証されていまして、社会的な支援(=社会的な繋がり)と身体的な温もりっていうのは共通しているんじゃないか⇒ということは、温もりを与えることで恐怖のストレスを減らせるかもしれん!と考えたわけですね。
言われてみれば確かに、と頷けますね。
という理由で研究を行ったそうですが、その内容は約30人の参加者を集めまして、モコモコしたクッションだったり、カイロや木で出来たブロック、ゴムボールなどを渡して、手に装着してもらった上で、飛行機が墜落する映像などといった恐怖映像を3分から5分ほど見せたようです。
そうして皆の感じた恐怖のレベルなどをチェックした……といった内容となっていました。
この研究でどんなことがわかったのかというと……
・カイロを渡した参加者は他の参加者と比べて恐怖レベルが低かった!
・つまり、身体的な温かさで手を温めると恐怖のストレスが軽減する!
ということが結果としてわかったみたいですね。
モコモコクッションよりもカイロの方が有意に結果が出ていたのは個人的に驚きでしたね。
気持ちの良い感触よりも温もりの方が人間は安心するんですね~
温もりを感じるとストレスが減少する理由
ここで疑問に思うのは何故温もりを感じることでストレスレベルが減少するのか、というところですよね。
研究ではここらへんの考察もしてくれていまして、以下のような理由が出されていました。
- ・身体的な温かさというのは人間(生物)が生きるために必要な要素であるため。(体温が下がると生物として生存率が下がるから)
- ・特に幼い頃(身体がうまく出来上がっていない赤ちゃんの頃や幼年期の頃)などでは親から温められてもらった方が(自然界では)生存率が上がったから。
- ・上記のような理由から『身体的な温かさ』=『社会的な繋がり』として生物の中では結び付けられるようになっている……と考えられる。
- ※実際に、身体的な温かさと社会的な温かさは同じような神経生物学的な経路を共有している
という理由が考えられたそうです。
簡単に言ってしまうと、人間を含む生物は身体的な温かさを「安全、安心できるサイン」だと認識するそうで、身体的な温かさを感じると気持ちもリラックスする方に傾きやすいというわけですね。
なので皆さんも恐怖を感じたりストレスを感じそうになったら手を温めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
というわけで今回はストレスを感じたら手を温めると良いんじゃないか説をお話しました。
手を温めるとストレスが減少するなんてホンマかいな⁉と最初は筆者自身も思ったものですが、研究内容を見てみたり、研究者の考察を見てみたりすると「おぉ、確かに納得だなぁ」と思いましたね。
ただし、ちょっとした注意点がありまして、この研究は参加者が少ないため、メタ分析ほどの信頼性はないんですよね。なので、「そういう可能性もあるんだな~」程度に受け止めておいてください。
皆さん自身も研究者になったつもりで、自分自身で実践して、効果のほどを試してみてはいかがでしょうか?
それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。
参考文献:Warm hands, warm hearts: An investigation of physical warmth as a prepared safety stimulus