あなたの「わがまま」は良いわがまま?悪いわがまま?わがままの良し悪しを測る『10の質問』

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あなたの「わがまま」は良いわがまま?悪いわがまま?わがままの良し悪しを測る『10の質問』

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こんにちは、熊月カナタです。

今回は皆さんの「わがまま」が良いものであるか悪いものであるかを判定する10の質問を用意してきました。

「自分の考えは自己中心的なのだろうか?」、「私の行動で周りに迷惑がかかってないだろうか?」とお悩みの方や疑問に思っている方は是非この後に紹介する10の質問に答えてみてください。

それではやっていきましょ~

わがままの善悪度を測る『10の質問』

「わがまま」というのは、本来は悪いものではない?

さて、まずはわがままの良し悪しの測り方についてお話する前に「良いわがまま」についてお話していきましょう。

「そもそも良いわがままなんてあるの?わがままなんて全部悪いんじゃない?」って思っている方は結構多いんじゃないかなと私は思っています。
今回ご紹介する研究を行った研究者であるスコット・バリー・カウフマン博士も「わがままなんて全部悪い!」という風潮があることを理解しつつ、「しかしわがままの中にも健全で、良いわがままがあるはずだ!」という意見をお持ちのようでして、筆者自身も確かに全てのわがままが悪い訳じゃないよなぁとしみじみ思いました。

心理学界で有名な博士たちも自己愛(=わがまま)には健全なものもあるという意見で一致しており、例えば「マズローの欲求五段階説」で有名なアブラハム・マズロー先生や20世紀の有名な精神・哲学者であるエーリッヒ・フロム先生も自己愛には良性のものがあるという意見です。

先生方がおっしゃる「健全な自己愛(良いわがまま)」はどんなものかというと……

  • ・自分と他人の間にある境界線を認識し、それを尊重した上で自分自身の健康、成長、幸福、喜び、自由の重要性を求める
  • ・他人との健全な境界線を保った上で自分自身の楽しみや幸福を追求する

という感じらしいです。
簡単に言ってしまうと、他人の事を尊重しながら自分自身の幸福を求めること、それが健全な自己愛(わがまま)というわけなんですね。
また、エーリッヒ・フロム先生曰く……

「現代文化には、利己主義へのタブー視が浸透している。利己的であることは罪であり、他者を愛することだけ美徳であると教えているのだ。この文化的タブーが、健全な自己愛を示すことに罪悪感を抱かせ、喜びや健康、自己成長を経験することを恥じるように仕向けるという不幸な結果を招いた。」

ということだそうで、他人を優先する事ばかりが「良い事」と見なされてばっかりで自分を愛するという視点が抜けがち、それはおかしいんじゃない?ということを言いたいのでしょうね。
確かに、他人ばっかり優先して自分の事を無視するのは健全とはいえませんよね。

良いわがまま、悪いわがままの違いを調べた研究

そんなわけでカウフマン博士は「良いわがままと悪いわがままはキッチリ区別すべきだ!」という主張のもと、良いわがままと悪いわがままの違いを調べるべく研究を行ったのでした。

研究はアメリカのニューヨーク州コロンビア大学で行われ、実験参加者約800人が集められました。
集められた参加者にカウフマン博士が作った『10の質問』を渡し、質問に答えてもらってわがままの良し悪しレベルを測ったそうです。
この実験で使われた『良いわがまま』の定義と言うのは……
自分自身の健康、成長、幸福、自由を尊重することとされており

逆に、『悪いわがまま』の定義はと言うと……
自身の欲求の為に他人を犠牲にしたり、迷惑を掛けたりすることとしています

そうして参加者に10の質問テストを行ってもらった後、参加者がどういった傾向を持っているのかを調べました。「良いわがままのレベル」が高かった人の特徴は……

  • ・幸福感と生活満足度が高い
  • ・子供がいる人の場合、威圧的な育児を行わない傾向がある
  • ・他人を気遣い、純粋な人助けを行う強い動機が見られた
  • ・自己有能感(人生の目標に到達しているという認識)および自分の業績に対する誇りの感覚が強い
  • ・ナルシシズムや悪い利己主義(自分の利得のために他人を助ける傾向)とも負の相関がある

対して、「悪いわがままレベル」が高かった人(良いわがままのレベルが低かった人)の特徴は……

  • ・うつ病になるケースが多かった
  • ・トップになるために他人を犠牲にしたり、他人を支配しようとするモチベーションが強かった

という結果がわかったそうなんですね。
良いわがままレベルが高かった人は自分自身で自分をケアする能力が高く、そのおかげで人生の満足度が上がる傾向があったらしいですね。
自分自身で問題を解決出来る人は余裕もあるでしょうし、そのおかげで他人に避けるリソースも増えて優しくなれるんでしょうね。

わがままを測る10の質問

それでは皆さんお待ちかね、カウフマン博士が作ってくださった『良いわがままレベルを測る10の質問』をご紹介していきましょう。次に並べる10個の質問について、「全く当てはまらない(1点)」~「強く当てはまる(5点)」の五段階で判定していってください。

  • 1.私は自分の出来るコトと出来ないコトについて、はっきりとした境界線を持っている。
  • 2.私は自己管理が出来ている。
  • 3.私は健全な自尊心を持っており、他人を利用するようなことはしない。
  • 4.私は自分のニーズと他者のニーズのバランスを取っている。
  • 5.私は自分のニーズを尊重している。
  • 6.私は他人を傷つけずに自分のニーズを満たす方法を持っている。(例:瞑想、運動、食事など)
  • 7.他人の為に働いて消耗しても、うまくエネルギーを再充電する方法を知っている。
  • 8.必ずしも人の為にならなくても、自分が楽しむことを優先できる。
  • 9.私は自分を大切にしている自覚がある。
  • 10.私は他人の欲求よりも個人のプロジェクトを優先させる。

全てに答え終わったら、答えた10個の解答を合計し、それを10で割りましょう。
この10の質問には明確な基準点などは無いのですが、平均して出た数字が3.8前後であれば普通の良いわがまま度だといえます。そして、3点以下だった場合は良いわがままレベルが低いと言えるので、瞑想をしたり、自分自身を振り返ったりすることで自己愛を良い方へ変化させていきたいですね。

まとめ

というわけで今回はあなたのわがままが良いものかを測る10の質問をご紹介させていただきました。

世間ではわがまま自体が悪者にされがちですが、カウフマン博士もおっしゃる通り健全なわがままというものもあります。他人のことを尊重しながら、自分自身の幸せや楽しみなどを求めていきたいものですね。

10の質問は定期的に振り替えることをお勧めします。定期的に自分のわがままレベルを測ることで、良い状態にあるのか、または悪いわがままに変わってしまっているのかが知れますので、是非ご活用ください。

それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。

参考文献:Healthy Selfishness and Pathological Altruism: Measuring Two Paradoxical Forms of Selfishness

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ナルシスト心理学