苦しみから立ち直る力『セルフコンパッション』とは?

メンタルの知識

苦しみから立ち直る力『セルフコンパッション』とは?

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こんにちは、熊月カナタです。

今回は人生で起こる様々な苦しみから自分を立ち直させるスキル『セルフコンパッション』について解説していこうかと思います。

自分のことを攻めがちな人や自分に不満を抱えている人などはこのスキルを実践してみると心がスッキリするのではないかと思われます。

それではやっていきましょ~

苦しみに立ち向かう力『セルフコンパッション』

セルフコンパッションってそもそも何?

皆さんはそもそも「セルフコンパッション」というものをご存知でしょうか?
恐らく、普通に生活している中でこのような言葉はまず耳にしないかと思います。
心理学界では有名な単語、用語ではありますが、一般的にはマイナーな言葉ですからね。

さて、このセルフコンパッションというものですが、簡単に言ってしまうと人生において感じる苦しみを受け入れ、前向きに物事を捉えていく力(スキル)のことです。
これだけの説明では何のことかまだ分からないと思いますので、わかりやすいようにもう少し詳しく解説していきましょう。

セルフコンパッションというのは一言で言えば「自分を思いやる力」です。
辛く、苦しい状況に自分自身を責めずに、逆に優しくしてあげる……という心の在り方であります。これは自分自身に甘くしろ!と言っているわけではなく、もう少し複雑な概念になっています。
セルフコンパッションには大まかに3段階のレベルがありまして……

  • 1.初級レベル:辛く苦しい状況においても自分自身を慰めて、安定したメンタルでいられる
  • 2.中級レベル:「苦しみ」とは人生において避けられないモノと、割り切っている精神状態
  • 3.上級レベル:その瞬間に起きている苦しみや困難に目を背けず、受け入れ、立ち向かっていける

と、なっております。
初級レベルであればメンタルが強い人やそれなりにメンタルを鍛えている人であれば難なく辿り着けるレベルではあるのですが、中級以上になってくるとセルフコンパッションの具体的な、自分なりの技法を日頃から実践していないと中々到達できない領域となっています。

以上のように、苦しい状況にいる自分自身に優しくしてあげ、その苦しみを受け入れて、最後には真正面から苦しみそのものを見られるようにするスキルがセルフコンパッションとなっております。
「自信」とは全く違う概念となっていますので、そこだけは勘違いしないようにお願いします。

具体的な『セルフコンパッション』の鍛え方

ここまでセルフコンパッションを解説してきましたが、そもそもどうやってセルフコンパッションのスキルを鍛えればいいのか分からん!ってなっていますよね。

セルフコンパッションは概念的で定量的に測れるものでは無いので、鍛え方についても少々難しいものがありますが、方法が無い訳ではないので、それの方法をこれからご紹介いたしましょう。

まずはセルフコンパッションの実践的な方法からです。
以下の事に注意しながら、セルフコンパッションを実践しましょう。

  • 1. 嫌な気分や苦しみを感じたら、湧き上がった気持ちや感情を自覚する
  • 2. 湧き上がったネガティブな感情を否定するのではなく、受け入れる
  • 3. 正しくない自己批判的な考えには、正論で反論する。※例えば、「いつも自分は酷い目に遭う運命なんだ」という考えが出てきたら、「酷い出来事はいつもじゃなくて、時々起こるモノだよね」と訂正してあげる
  • 4. ネガティブ感情が湧き上がった時、不幸な出来事が起きた場合、ポジティブな代替案を自分自身に提案してあげる

この四つのテクニックを実践してあげれば、自然とセルフコンパッションを実践できるようになってくるでしょう。
とはいえ、2以降のテクニックになってくると難易度が上がってきますので、徐々に出来るようになっていけば良いと思います。自己批判的な感情が強い人はレベル1のテクニックもそこそこ難しいかと思うので、まずはレベル1をしっかりできるようになれば花丸ですね。

次はより具体的なテクニックをご紹介いたします。
このテクニックを使っていけばよりセルフコンパッションのスキルが身に付けられるでしょう。

  • ・まずはどんな悪い事も起きないような場所をイメージする。(家の庭やカフェのテラスなど)
  • ・架空のキャラクターを思い描いてもらう。(この時に思い描くべきキャラクターは、なるべく優しげで頼りになる人物の方が良い)
  • ・不幸やネガティブな出来事が起きた時、思い描いたキャラクターから自分自身に対して優しい言葉やフォローの言葉を掛けてもらう
  • ・思い描いたキャラクターに不幸な出来事を塗りつぶせるようなことを提案してもらう

といった内容のテクニックとなっております。
もう少し簡単な説明をすると、安心できる場所をイメージし、架空の人物に優しい声かけをしてもらって、より良さそうな出来事を提案してもらう、というような感じです。
このテクニックを実践するには最初に紹介したレベル1がきちんと出来ていることがある程度の前提となってきますので、最初に紹介したテクニックとこのテクニックを両方実戦してもらって、セルフコンパッションのスキルを高めていっていただけたらなと思います。

まとめ

というわけで今回は苦しみから立ち直る力『セルフコンパッション』について解説させていただきました。

普段は耳にしない心理学のテクニックですが、このスキルはとても有用なので、実践できるようになれば誇張無しで人生が変わることでしょう。
その分、このスキルを実践していくには少々難易度が高いので、普段から意識的に考えを巡らせなければいけません。しかし、使いこなせるようになればあらゆる出来事に対して余裕をもって取り組めるようになり、仕事における生産性も向上し、人間関係も自然と良いものになっていくでしょう。

それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。

参考文献:https://self-compassion.org/the-program/