ネット記事を共有すると「自分の知識」として勘違いしてしまう?

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ネット記事を共有すると「自分の知識」として勘違いしてしまう?

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こんにちは、熊月カナタです。

今回はネットの記事を共有しただけでその知識を「自分の知識だ!」と勘違いしてしまう現象についてお話していきたいと思います。

ネットには様々な情報が溢れていますが、その扱い方を誤ると悲惨な目にあったり、自分自身にとってデメリットになったりする場合が多くあるので気をつけなければならないんですよね。

今回はそんな扱いに注意が必要なものについて触れていきましょう〜

ネット記事を共有すると「自分の知識」として勘違いしてしまう?

情報を共有すると「知っている!」という感覚が強くなる?

昨今では様々な情報がネット上、現実世界共に溢れかえっており、私達はその情報にさらされて生きています。
そんな今の世界で、記事などの情報を友人や家族、さらには見知らぬ人にまで共有することがあるのですが、この「共有」について注意しなければいけないという警告があったので、それをご紹介していきましょう。

これはアメリカのテキサス大学などが行った研究でして、4つの実験を行って「ネット情報と主観的な知識の感覚」について調べたという内容になっています。
どんな実験が行われたのかと言うと、以下の4つになります。

  • 第一の研究:研究参加者を集め、その参加者達にオンラインニュース(ネット記事)を読んでもらいました。そして参加者にオンラインニュースの記事の一部を各自の好きなように共有してもらった。
    その後、参加者に「あなたはこのトピック(ネット記事)について他人よりも良く知っていると思いますか?」といったような質問をする『主観的知識』を図るテストを行ってもらったところ、実際にそのトピック(ネット記事)を読んでいるor読んでいないにかかわらず、トピックを共有した人はトピックを共有しなかった人よりも「自分は知識がある!」と感じていた。
  • 第二の研究:「共有をするという行動」そのものが「自分には知識がある」という思い込みを助長していたということがわかった。
  • 第三の研究:ネット記事を共有した参加者を「自分の名前を使って記事を共有したグループ」と「偽名を使って記事を共有したグループ」の2つに分けて調べてみたところ、「自分の名前で記事を共有した」グループのみ「自分には知識がある」という思い込みが発生していたことが確認された。
    また、この現象は自分と関わりのない見知らぬ人に記事を共有した場合よりも、友人や家族などの親しい人たちに共有した場合のほうが思い込みが強かったことが確認された。
  • 第四の研究:参加者に投資に関する記事を読んでもらい、参加者の半分に投資の記事を共有するように指示した。
    その後、参加者たちに金融知識を測定するテストを行ってもらったところ、記事を共有した人たちは『投資計画の演習問題』にてよりリスクを取るような回答をした。

研究全体と通して確認されたことは、『記事を共有してもらったグループは「自分には知識がある!」という思いを抱きやすかった』という現象です。

上記の研究を簡単にまとめると、記事を読む読まないに限らず、『記事の共有』を行った人たちは「自分にはその記事の知識がある!」と思いやすかった。
そして、友人や家族などに記事を共有していると、より自分には知識があるという思いが強くなった。
さらに、「自分は知っている!」と思った知識をベースに行動を行いやすかった。
⋯⋯ということになります。

記事を読んでいるのであれば、そこまで気にする必要はないのかもしれませんが、記事を読んでいないのに「自分は知っている!」と思い込みやすいというのは中々に恐怖を感じますね。
自身の血肉になっていないのに「自分には知識がある!」と振る舞ったり、知識があるという前提で動き回ってしまったりと、失敗する人たちの典型になりそうな結果でした。

まとめ

というわけで今回はネットの記事を共有すると「自分の知識」として勘違いしてしまう?というお話をさせていただきました。

ネット記事を共有するだけで「これは自分の知識だ!」と思い込んでしまうのは恐怖ですよね。ネットで元の情報を確認していないにもかかわらず声高に「この意見こそが正しい!絶対に!」と叫んでいる人をものすごく多く見ますが、こういう人たちは情報を共有することによって「これは自分の知識だ!」と思い込んでしまっている典型なのでしょうね。

SNSとかでいいねやリポスト(リツイート)などの機能がありますが、そういった機能を使って情報を共有していくと、共有した情報について「これは自分の知識の内の一つ!」という思い込みや勘違いが働いてしまうんですね。
筆者自身もこういった『共有の罠』にハマらないように気を付けていきたいものです。

それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう〜

参考文献:I share, therefore I know? Sharing online content – even without reading it – inflates subjective knowledge

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