こんにちは、熊月カナタです。
今回はこれからスポーツをしようと思っている人、子供などにスポーツをさせようとしている人が「何かスポーツをしたい(させたい)んだけれど……やるべきスポーツは一つに絞った方がいいのかな?」という疑問にお答えしていこうと思います。
目次
スポーツは一つに絞らない方が良い
さて、まずは先に結論を話しておきましょう。
ずばり、行うスポーツは一つに絞らない方がいいというのが結論です。
様々なスポーツを体験せよ
人が持つ可能性は様々であり、何かの物事にかちりとはまる確率はとても低いです。その中で「自分はこのスポーツをやって成功したいんだ!」と考えるのは自分の可能性を自ら閉ざしてしまうことに他ならないということなのでしょう。
元々サッカーをやっていた選手が何かをきっかけに野球をやり始めると、サッカーをしていた頃よりも野球をプレイしている方が高い成績を収めてしまった、なんて話もよくあります。
しかし、中には「このスポーツを続けてきたおかげで、私は成功できたのです!」という意見もあります。
では一体、どちらが正解なのでしょうか?
タイガー・ウッズとロジャー・フェデラーの例
出典:wikipedia
ここでかの有名な二人の人物をご紹介しましょう。
一人は「史上最高のゴルファー」と称されることもある「エルドリック・タイガー・ウッズ」氏。
もう一人はテニス世界ランキング1位の最長連続記録を持つ「ロジャー・フェデラー」氏。
この二人は有名なスポーツ選手であり、共に輝かしい成績を修めている素晴らしい人物達です。
二人は共に小さな頃からゴルフ、テニスを始めており、プロとして活躍している選手です。
これだけ聞けば「やはり最初から一つのスポーツに打ち込んだ方が良いんじゃないのか?」と思うはずです。しかし、この二人の内一人は違う過程を経て一つの競技に打ち込みました。
タイガー・ウッズの例
タイガー・ウッズ氏は典型的な「一つの競技」に絞ってきた例でしょう。
生後十か月の頃にゴルフクラブを持ってスイングの真似をしたり、2歳になると全国放送のテレビに出演して俳優の前でゴルフボールを実際に飛ばしてみたり、その後10歳以下が参加するという競技会へ参加して優勝するという破格の成績を修めました。
その後は誰もがご存知の通り、メジャー選手権の優勝やトリプルグランドスラム達成などの輝かしい成功を修めました。
幼い頃からゴルフだけに専門特化して努力し続け、成果を出した選手。それがタイガー・ウッズ氏なのです。
スポーツを行っている多くの人々にとって、彼は理想の姿と言えるでしょう。
しかし、これは彼が偶々ゴルフの才能が有り、その才能を幼少期から存分に鍛え続けてきたからこその成果なのです。
ロジャー・フェデラーの例
ロジャー・フェデラー氏、彼もまた小さな頃からテニスに打ち込み、今日ではプロとして活躍した人物として知られています。
しかし彼はタイガー・ウッズ氏とはまた違った過程を経てテニスの道へ入りました。
ロジャー氏は最初からテニスの道に入ったわけではありませんでした。
幼少期の頃、彼は父親と一緒によくスカッシュ(ラケットを使い、2名が壁に向かってボールを打ち合うスポーツ)をして遊んでいました。他にもスキーやレスリング、水泳、スケートボード、バスケットボールなど様々なスポーツをして遊びました。勿論、幼少の彼が体験したスポーツの中にはテニスも含まれていました。しかし、彼はテニスのみではなく、様々なスポーツを行っていました。
(後にロジャー氏は、様々なスポーツを経験したおかげで運動神経や反射神経が養われたと語っています。)
13歳になる頃には次第にテニスに惹かれていきましたが、この時の彼はまだ友達と一緒にサッカーをしたり、音楽やプロレスの話をしていた方が楽しかったようです。
そしてその後、彼がようやく他のスポーツを辞めてテニスのみに集中するようになった頃、同年代の選手達はすでにトレーナーや栄養士などをつけて長年のトレーニング積んできた状態でした。しかしこうした他の選手達との差が影響を及ぼすことはなかったようです。
彼はその後、何度も輝かしい成績を修めることになるのですから。
偉大な二人の差異から学べること
一人は幼い頃から一つの競技に専心し、もう一人は様々な経験を経てから一つの競技に絞りました。
さて、この偉大な二人から私達が学べることは何でしょうか?
一つの競技をやり続けることが絶対正義なのか、それとも様々な競技を行う方がいいのか。
多くの人にとって理想はタイガー・ウッズ氏のような在り方でしょう。最初から一つの競技に絞って、その競技をやり続ける。これが理想です。
しかし、現実ではそううまくはいきません。大抵の場合、タイガー氏のように素晴らしい才能があり、その才能にかちりとはまる競技を選択することはほぼ不可能です。数多ある競技の中から自分に合った競技を最初から当てるなど無理でしょう。
ならば多くの人にとって少しでも可能性がある選択肢は何なのか?それはロジャー氏のように様々なスポーツを経験してみて、一番自分に合ったものを選び取る。これがベターな選択です。
多くを経験しよう
多様化への恐怖に打ち勝つ
これまで説明してきてもまだ「一つのスポーツに専念しなくてもいいのか?」という恐怖があると思います。
この恐怖に打ち勝つための魔法の言葉があります。
経験してきたことは全くの無駄にはならない
ロジャー氏も語っていますが、自身が経験してきた様々なスポーツはその後に様々な形で自身の力になっていきます。ロジャー氏のように運動神経や反射神経が養われる結果になったり、その他にも身体の使い方を学ぶことが出来たり、基礎体力をつけて、身体の土台を築くことができたりもします。
他の競技を経験してきたおかげで今の競技に活かせた、という機会も訪れることでしょう。
結論:自分の可能性を見つけるために様々なことを経験しよう
自分の才能に合うスポーツを最初から見つけられる可能性はごくわずかです。
一つのスポーツに専念しない、という恐怖を捨てて様々なスポーツにチャレンジし、己の可能性を拡げることが将来の自分への贈り物となります。
「RANGE」の著者であるデイビッド・エプスタイン氏は「早期に専門特化することは自分自身の可能性を狭めることに他ならない」と著書で語っています。
スポーツに限らず、私達は様々な経験を経て成功を選び取っていくのだと思います。
それでは今回はここまで。また次回お会いしましょう。