【人体の不思議】私達が寝ている時、床ずれにならないのは何故か?

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【人体の不思議】私達が寝ている時、床ずれにならないのは何故か?

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こんにちは、熊月カナタです。

今回は人間が寝ている時、何故床ずれを起こさずにいられるのかについてご紹介していきたいと思います。

床ずれにならないのは寝返りを打つから

さて、まずは結論からお伝えしましょう。我々人間が眠っているときに床ずれにならないのは「寝返り」を打つからです。

では何故寝返り動作をすると床ずれにならないのかを説明していきましょう。

床ずれとはなにか?

ところで、そもそも「床ずれ」ってなんだろう?と思う方もいらっしゃると思うので、先に床ずれとは何かを説明していこうと思います。

床ずれとは骨が出っ張っている部位や脂肪が薄い部分が長時間圧迫されたり摩擦などの外力が皮膚に加わると、その部分の血流が悪くなり炎症を起こしてしまうことを言います。専門的な用語では「褥瘡(じょくそう)」と言います。

もっと簡単に言うと、身体の一部が長い時間圧迫されると痛くなるよ~ということです。

また、摩擦が原因で起こる床ずれですが、こちらは皮膚がひどく乾燥して弱まっていたり、逆に湿気てふやけたりしている時に、皮膚組織が摩擦という外力によって内部と表面が互いにズレてしまうことで起こります。
皮膚にずれが起こると筋肉から皮膚に向かう血管が引き伸ばされて細くなるため、皮膚の血行が悪くなってしまうのです。

寝返りのありがたい効果

寝返りが床ずれを防止する理由

私達人間が無意識に行っている寝返りによって床ずれは防がれています。何故床ずれが防げるのかというと、上記でお伝えした床ずれの原因である「長時間の圧迫」を防げるからです。

人体の一部が短時間ならまだしも、長時間圧迫され続けると血流が悪くなって酸素や栄養素が行き渡らなくなり、床ずれという炎症反応が起こってしまいます。

人は睡眠中に寝返りを打つことで、身体の一部分に負担がかかり続けないようにしているのです。

寝返りという動作が持つその他のメリット

寝返りには床ずれを防止するという大きな役割がありますが、その他にも様々なメリットを持っているのです。

具体的には身体を動かすことで血流を良くして、体液(血液、リンパ液、各関節にある間接液)の巡りを助ける。
布団や枕などの身体が接触している部分の熱を逃がして、体温の調節を助ける。
姿勢を変えることで、骨などの皮膚以外の組織が圧迫されるのを防ぐ。

こういったメリットを持っているのです。

ヒトは何故寝返りを打つのか?

人が何故寝返りを打つのか?これに関しては現在でも未だはっきりとはわかっていません。

しかし、進化生物学の観点から見ると納得できるものがあります。

過去にいた私達人間の祖先は睡眠中でも寝返りを打つことで、上記でお伝えしたようなメリットを受け続けてきたのでしょう。
逆に、睡眠中に寝返りを打たなかったグループは日々睡眠を取るたびに身体のどこかに炎症を起こして不調をきたしたり、あるいは心臓の動きを高めることで無理矢理血流を良くして炎症を防いでいたのでしょう。

そして、自然淘汰の結果、我々のように睡眠中という意識の無い中でも「寝返り」という動作が出来るグループが生き残ってきたのだと考えられます。

睡眠中以外に潜む床ずれの罠

長時間のデスクワーク

我々現代人には睡眠中以外にも床ずれの罠が潜んでいます。その一つが長時間のデスクワークによって引き起こされる床ずれです。

床ずれは長時間人体の一部が圧迫され続けることによって引き起こされます。なので、長時間椅子に座り続ける人にも床ずれの罠が潜んでいるのです。

勿論、健康な人は度々姿勢を変えるなどして圧迫を防いでいるでしょう。しかし、肥満の人や強いストレスを抱えている人は身体が思うように動いてくれません。
意識的に座っている姿勢を変えることで床ずれを予防していきましょう。

また、座っている途中に姿勢を変えるのは床ずれ防止以外にもメリットはあります。血行を良くすることで集中力をあげたり、頭の回転率をアップさせることができます。
自分は健康だ!という方も意識的に姿勢を変えてみると生産性がアップするかもしれません。

病気やけがなどで寝返りが困難になる

こちらの理由に関してはどうにもならない部分があると思います。

しかし、周りの人の助けを借りて体勢を変えてもらうことはとても重要という事を念頭に置いておくだけでも効果は上がるモノです。(プラセボ、プラシーボ効果と言います)

また、自分で動かせる部分を意識的に動かすことで血流を良くすることも可能なので、もし自分が病気だった!怪我をしてしまっている……という人であっても、頻繁に身体を動かす事は大きなメリットとなるので、覚えておくとよいでしょう。

勿論、病気やケガにならないのが一番なので、今健康な状態でいる人はこれからも健康でいられるように頑張っていきましょうね。

それでは今回はここまで。また次回お会いしましょう。

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