こんにちは、熊月カナタです。
今回は「認知行動療法」という最強のメンタルケアテクニックについてご紹介していきたいと思います。
「上司、先生から怒られて落ち込んだ……」、「ああ、また仕事を終えるのに時間がかかってしまった……」などの日常的な悩みや深刻な精神症状も解決してくれるテクニックなので、気になる方は是非楽しんで見ていってください。
目次
認知行動療法とはなにか?
Google社やコカ・コーラ社も使うストレス対策
認知行動療法とは、Googleやコカ・コーラなどが企業研修などに採用しており、社員のストレス対策に大きな効果を上げていたりします。
Googleなどのアメリカ大手企業は「効果がないものは取り入れない!」という信念で動いており、彼の企業達が実際に使っている技法なので、その効果にはとても説得力があると思います。
認知行動療法は「偏り」を修正する
人が誰しも持っている思考の「偏り」や「エラー」などを認知行動療法は改善してくれます。
自身の内側を見つめ直して「偏った見方をしていないか?」、「もしかすると……この考えは少し冷静ではなかったのかもしれないな」などという考えを巡らせ、頭の中でグルグルと渦巻いていたネガティブな思考を整理して、ストレス解決へと導く。それが認知行動療法となります。
認知行動療法がどういった効果があるのかを理解したところで、具体的なやり方について解説していきましょう。
認知行動療法の7ステップ
それでは、7ステップに分けて具体的なやり方を解説していきます。
自分の頭の中だけで行うだけでも効果はありますが、紙に書きだすことが最も効果的なので、出来るならば紙とペンを用意してやっていきましょう。
Step1 困難な状況を思い返す
一つ目のステップでは、自分にとって困難だと思われる状況を思い返し、簡潔な文章で表します。
また、「~べき」や「~べきではない」といった言い回しを使うと便利だと思います。
例:部下たちは私の言う事を聞くべきだ。 あの上司は感情的に説明するべきではない。
Step2 思考の採点
続いては上記のステップで思い返した状況においての自分の思考の「現実味」について0点~10点で採点していきます。
もし「私の部下たちは私の指示にしっかり従うべきだった」と心の底から正しいと感じているのであれば10点をつけます。しかし「部下たちが私の言う事を聞かなかったのもムリはないか……」と感じたのであれば低い点数をつけます。
この採点は自分自身の主観でOKです。
Step3 感情・行動の把握
自身のストレス源について考えた時、どのような感情がわきあがるかをリスト化していきましょう。思いついた感情は一つに限らずなんでもOKです。
そして、そのストレスを感じた後にどんな行動を取ったかをリスト化していきましょう。こちらもストレスを感じた直後の行動1つだけではなく、複数リストアップしていってください。
例:怒り、悲しみ、イライラを感じた。 机を叩く行動をした。タバコを吸いに行った。
Step4 再思考
4つ目のステップでは最初に書いた文章を否定分に書き換えていきましょう。
「~べきだ」と考えていたなら「~べきではない」と逆にし、「~べきじゃない」と書いていたなら「~べきだった」と変えてみましょう。
「現実には」で書き始め、「現時点では」や「その瞬間では」などを含めた分にすると良いと思います。
例:「上司はもっと優しく言うべきだった」→「現実には、その瞬間では上司が優しく言い聞かせるのは適切じゃなかった」
「あの人はあちら商品を選択するべきではなかった」→「現実には、その時点ではあの人があちら商品を選ぶのも当然だった」
Step5 エビデンス
現時点で(またはその瞬間では)Step4で浮かべた否定文の方が正しい(現実ではそうだった)ということを示す証拠を書き出していきます。思い浮かんだものは全て書き出していきましょう。
また、書き出した証拠を声に出して読んでいってみてください。
例:現実には、その瞬間ではあの人があちらの商品を選ぶのもとうぜんだった。なぜならば、その時点ではあちらの商品のメリットが僅かに上回っていたからだ。
このステップで大事なところは、ストレスの原因が自分のせい、他人のせいのどちらでもよいところです。改めて考えてみれば自分が悪かったと思うのであれば自分自身を原因にした文章にしましょう。
逆に、どう考えても相手のほうに責任の天秤が偏るし、相手の方が悪かったに決まっていると考えられるならば、相手のせいにした文章でもOKです。
どちらにせよ、自分自身が「これはこちらが正解だろう」という実感が持てる文章にしてください。
Step6 感情・行動の把握
Step5で考えた文章を読み返し、どんな感情が湧き上がってくるかをリスト化してみましょう。
そして、リストアップした感情に対して自分がとりたくなった行動をリストに上げていきましょう。
Step7 再読
最後に、Step1で書いた文章を読み返し、自分にとってどれだけ現実味があるかを0点から10点で採点していきます。
ここで「Step1で書いた文章が真実だ」と思った場合はStep2でつけた点数と同じにしてもかまいません。
まとめ
というわけで以上7ステップに及ぶ認知行動療法の解説をしてきました。
この技法で大切なのは自分の思考と感情を切り離し、客観的に見つめ直すところなので、結論としての考えが変わってなくても問題ありません。
しかし、実際にこの7ステップをやってみてもらえれば分かると思いますが、ストレスやネガティブ感情は確実に少なくなっていると思います。ストレスやネガティブ感情に押しつぶされそうになっていて、普段の思考の邪魔になっているという方は、是非お試しあれ。
パニックを引き起こした時や感情的になっている時も有効なので、ご活用ください。
それでは今回はここまで、また次回お会いしましょう。